家の中には、家族のための場所はあっても、自分がちょっと腰を下ろすための場所は意外と少ないものです。食事をするテーブル、洗濯物をたたむソファ、つい物を置いてしまう椅子。以前の我が家のリビングも、そんなふうに何役もこなす場所になっていました。
用事がひと段落しても、どこに座れば落ち着くのか分からない。ソファに座っても、横に置いたバッグや読みかけの書類が目に入って、気持ちが休まりませんでした。そこで私は、広い模様替えをするのではなく、リビングの一角に「私の席」をつくることから始めてみました。
BEFORE|座る場所が、いつも何かの途中だった
以前は、空いているところに座ればいいと思っていました。でも、空いている場所にはたいてい何かが置いてあります。買い物袋、洗濯物、充電中のもの。片づけてから座ろうとしているうちに、結局そのまま次の家事へ向かうこともありました。
リビングを整えたい気持ちはあっても、大きな家具を動かすのは気が重いものです。部屋をおしゃれにしようと考え始めると、何を選べばよいか分からなくなってしまいます。私が欲しかったのは、立派なインテリアではなく、少しお茶を飲んだり、本を開いたりできる落ち着く場所でした。
きっかけは、ひとつの椅子のまわりを空けたこと
まず決めたのは、窓の近くにある一人掛けの椅子を、物置きにしないことでした。椅子の上に置きがちなものを別の場所へ移し、近くには小さな台をひとつだけ。台の上には、読みかけの本と眼鏡を置けるくらいの余白を残しました。
最初は、これだけで何が変わるのだろうと思っていました。でも、座るたびに片づけなくてよい場所があると、思った以上に気持ちの切り替えがしやすくなりました。朝にカーテンを開けたあと、夕食のあと。数分でもそこに座ると、家の中に自分のための時間が戻ってくるように感じます。
椅子は新しく買わなくても、今あるものでも大丈夫でした。大切なのは、座り心地を比べ続けることよりも、その場所に物をためない仕組みをつくること。私は「ここに置くのは、本・眼鏡・飲み物だけ」とゆるく決めています。
椅子の向きを少し窓側へ変えただけでも、同じリビングなのに見える景色が変わりました。日中は明るさを感じられ、夜は照明をひとつつければ十分。今ある家具の置き方を少し変えるだけなら、気分に合うかを試しながら続けられます。
AFTER|小さな居場所があると、気持ちを置き直せる
今では、リビングが少し散らかっている日でも、私の席だけは空いていることがあります。部屋全体を整えられない日にも、ひとつ落ち着ける場所がある。それだけで、「今日はここまででいい」と思いやすくなりました。
気をつけているのは、便利にしすぎないことです。近くに収納かごを増やしすぎると、また物が集まりやすくなります。ひざ掛けを一枚、読みかけの本を一冊。目に入るものを少なくしておくと、座ったときの気持ちもすっきりします。
50代の暮らしは、家の中で過ごす時間が少しずつ変わっていく時期でもあります。だからこそ、誰かのためだけではない小さな場所を持っておくことは、これからの毎日にやさしい準備になるのかもしれません。
大きく変えなくても、座れる場所がひとつあるだけで、私はほっとします。
「私の席」を続けるための小さな約束
きれいに保とうと力を入れすぎると続かないので、約束は三つだけにしています。椅子の上には物を置かない。台の上は一度に二つまで。使い終わったマグカップだけは、立ち上がるときに持っていく。このくらいなら、忙しい日でも思い出せます。
もし今、使っていない椅子や、何となく物を置いている小さな台があれば、そこから始めてみるのもよさそうです。家全体を変えなくても、ひとり分の居場所なら今日から見つけられるかもしれません。
座る場所を決めるときは、通り道をふさがないかも見ておくと安心です。家族が行き来しやすい場所なら、私の席も暮らしの中になじみやすいと感じました。
私の席のそばに置く、小さなサイドテーブル
椅子の横に小さな台があると、本や飲み物を置く場所が決まり、席のまわりに物を広げすぎずにすみます。紹介するのは、ソファの下へ差し込める形のサイドテーブルです。ご自宅のソファの高さや脚まわりに合うかを確認したうえで、私の席づくりの選択肢として検討できます。
PR
ソファの下へ脚を差し込み、天板を手元まで寄せて使えるC字型のサイドテーブルです。直径約40cmの丸い天板には、読みかけの本や飲み物、眼鏡などを置けます。重さは約3.7kgなので、リビングやベッド脇など、その日の過ごし方に合わせて置き場所を変えたいときにも検討できます。色も複数から選べるため、お部屋の雰囲気に合わせやすそうです。購入前に、ソファの高さや脚まわりの寸法を確認してください。
おわりに|暮らしの中に、自分のための余白を
リビングは家族みんなが使う場所だから、自分だけの場所をつくるのはぜいたくに感じることもありました。でも、ほんの小さな一角なら、誰かの居心地を邪魔せずに作れます。
座って深呼吸をする、本を一ページ読む、窓の外を見る。そんな短い時間を受け止めてくれる場所があると、暮らしの中の慌ただしさを少し脇に置けます。私の席は、これからも完璧を目指さず、心地よく使える場所にしていきたいです。
